とよまのまちなみには、大きく武家屋敷の街区と町家の街区があります。住んでいたのも「サムライ」と「町人」と違います。明治村では「武家屋敷通り」と「蔵造り商店街」が隣り合って、並んでつくられているため、サムライが住んだ通りと、町人が住んだ通りの風景の違いが比較できるのです。
たとえば町並みをみると、町人が住む蔵造り商店街の「町家」はたてもの自体に飾りを凝らすのに対して、サムライが住む武家屋敷は「門」が家の顔のように構えるという違いがあります。武家屋敷は塀や庭に囲まれて、家自体が奥ゆかしく隠れているので、この「門」が家の格式を表現する重要なたてものになったのです。武家屋敷通りをあるくと、いろいろな様式の武家の門に出会います。それら様式の違いが、武家としての身分格式の違いを表現していたりもするのです。
たとえば武家屋敷通りの角地に位置する「旧水沢県庁記念館」の門をみてみてください。二本柱のシンプルな門です。この門は、「冠木門」という様式。一見、簡素な様式ながら、武家の門の様式のなかでも、この「冠木門」は実は格式高い形式です。
「みやぎの明治村・登米町」は朝ドラ「おかえりモネ」の舞台・登米市にあります。およそ3時間で、コンパクトに体感できる観光まちあるきモデルコースも紹介しています。