雄大な北上川の堤防は清々しいまちあるきコースです。北上川の流れや登米大橋、山並みといった自然風景が目の前にパノラマのようにひろがっています。もちろん北上川の堤防は、そうした自然を満喫できるエリアです。一方で、視線を登米町の旧城下町の方へ向けると、また違った町並みの特色が見えてきます。
堤防の町側には、町家の建物が連なっています。北上川側からは、その町家の裏側が見えるわけです。ところがよくよく見ると、町家の裏側であるはずなのに、北上川の堤防側へ門が建てられていたり、門とセットになった物置小屋があったりします。「蔵造り商店街」という通り側だけでなくて、どうも北上川の裏手にも、出入り口があったように見えます。
こうした北上川に向かって開かれた町家のつくりは、この町が舟運で栄えた町の痕跡です。商売を営む町家には、物資や生活のために、通り側だけでなく、北上川とのつながりの中で、町家の屋敷構えが整えられていったのです。堤防のなかった時代を想像してみると、町家と北上川がつながりをもっていた舟運で栄えた登米町の姿がはっきりと目に浮かぶでしょう。
「みやぎの明治村・登米町」は朝ドラ「おかえりモネ」の舞台・登米市にあります。みやぎの明治村をおよそ3時間ほどでコンパクトに体感できる観光まちあるきモデルコースも紹介しています。